Research Theme

セキュリティ

ソースコードの無いバイナリ、TEE上のアプリ、メール送信インフラを対象に、弱点をどう見つけるか、その判定をどこまで信頼できるかを調べる分野です。LLMを使った解析と、インターネット規模の実測の両方に取り組んでいます。

LLM逆コンパイルTEE汚染解析メール・DNS測定

この分野で扱うこと

  • ソースコードが手に入らないIoTファームウェアやバイナリから、LLMでCコードを復元し、その品質を検査します。
  • TEE上のアプリを対象に、信頼境界をまたぐデータの流れをLLMで追い、設計不備を検出します。
  • メール送信元の逆引きDNSをインターネット規模で実測し、フィッシング判定の指標として妥当かを検証します。
  • 「検出できた」で終わらせず、その指標がどこまで信頼できるかを示すことを重視しています。

論文

Security / Reverse Engineering

LLMでバイナリを読み解く

Model-Agnostic Staged Pipeline for LLM Decompilation with Quality Inspection

ソースコードが残っていないIoTファームウェアや実行ファイルを対象に、LLMを使ってCコードを復元し、その結果がどこまで信頼できるかを段階的に検査する研究です。

LLM逆コンパイルIoTファームウェア脆弱性分析
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課題

従来のLLM逆コンパイルは、生成されたコードを一回の出力として受け取ることが多く、コンパイルできることと元の挙動に近いことの差が見えにくい課題がありました。

方法

Ghidraの疑似C、関数シグネチャ、ルールベースの品質検査、コンパイラ診断、実行結果を組み合わせ、生成と修復を繰り返すパイプラインを構築しています。

主な結果

HumanEval、MBPP、ExeBench、OpenWrtで評価し、再コンパイル率を各データセットで改善しました。一方で、再コンパイルできても挙動一致までは保証できないことも示しています。

Security / Static Analysis

TEEアプリの境界ミスを見つける

LLM-Driven Taint Analysis for Detecting Bad Partitioning Issues in Trusted Applications

Trusted Execution Environment上のTrusted Applicationを対象に、信頼境界の設計ミスをLLMによる汚染解析で検出する研究です。

TEETrusted Application汚染解析LLMセキュリティ
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課題

TEEでは安全な領域と通常の実行環境の間でデータを扱うため、共有メモリや入力検証の扱いを誤ると、機密データ漏えいや不正なメモリ操作につながります。

方法

候補関数を広めに抽出し、関数呼び出しの流れをSTART、MIDDLE、ENDの3段階で追跡します。TEE固有のAPIや信頼境界の知識をプロンプトに分離して与えています。

主な結果

既存のルールベース解析DITINGとは異なる箇所を検出でき、組み合わせることで再現率が向上しました。誤検出を抑えながら補助解析として使う方向性が見えています。

Security / Internet Measurement

メール送信元の信頼性を測る

Characterizing Reverse DNS Deployment for SPF-indicated Sender IP Addresses

フィッシングメール対策に関係する逆引きDNSの設定状況を、SPFレコードから抽出した大規模な送信元候補IPで調査する研究です。

DNSSPFFCrDNSフィッシング対策
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課題

PTRレコードやFCrDNSの有無は不審なメール送信元の判断材料になりますが、正当な送信元でも未設定の場合があり、単独の判定指標にすると誤検知の危険があります。

方法

Tranco Top 1MのドメインからSPFレコードを収集し、2,096万件以上のIPv4送信元候補についてPTRとFCrDNSの設定状況を分類しました。

主な結果

PTR設定済みは41.1%、FCrDNS成立は23.0%にとどまりました。逆引きDNSは有用な信号ですが、認証・評判・挙動と組み合わせて読む必要があることを示しています。

現在取り組んでいる研究

2026年度時点で研究室が進めている研究テーマです。

LLMを用いた逆コンパイルの精度向上

LLMでテストケースとCコードを生成し、再コンパイル・再実行で検証するパイプラインにより、復元精度を高めます。研究を手伝ってくれる学生も募集しています。

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逆コンパイルは、バイナリやアセンブリからCコードを復元する技術で、IoTの脆弱性検出に欠かせません。従来手法(Ghidraなど)では復元が途切れる場合があります。

LLM逆コンパイルIoT

フィッシングメール対策に向けたメールサーバのPTRレコード調査

逆引き設定が正規メールとフィッシングメールの判別に有用かを調査し、その活用方法を検討します。

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フィッシングメールの送信元IPアドレスの多くは、逆引き(PTR)が設定されていないことが分かっています。

フィッシングDNSPTR

フィッシング標的業界におけるBIMIレコード調査

日本でフィッシングの標的になりやすい業界を対象に、BIMIやDMARCの設定状況と有効性を調査し、フィッシング対策の現状を分析します。

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BIMIは、SPF・DKIM・DMARCの認証を通過したメールに送信組織のロゴを表示する仕組みで、正規メールを視覚的に見分ける手段として注目されています。

BIMIDMARCフィッシング

スマートホームを支えるセキュリティ研究

LLMでTEEプログラムを解析して情報漏洩につながる実装ミスを検出する研究と、異なる機器をつなぐブリッジの実際の動作から設計の不足を検証する研究に取り組んでいます。

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スマートホームでは、アプリ側で安全でも、機器同士をつなぐブリッジや機密機能を担うプログラムまで安全が保証されるとは限りません。

IoTTEEスマートホーム

利用証拠付きSBOMによる脆弱性アラートの優先度付け

各部品が実際に使われているかをソースコード解析と実行時の観測から自動で判定し、その証拠をSBOMに付与します。利用状況に応じて、脆弱性アラートを「今すぐ」「後でよい」「要確認」に仕分けます。

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SBOMは、ソフトウェアを構成するパッケージの名称・バージョン・依存関係を記録した「部品表」で、脆弱性のある部品が含まれていないかの確認に使われます。

SBOM脆弱性管理サプライチェーン

音声生成AIによる「声の無断学習」を外部から検証する技術

AIの中身を見ずに、生成音声と本人の実音声を話者認識モデルで数値化し、無関係な声との「似方の差」から学習の痕跡を統計的に検出する監査技術を研究しています。

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声優の音声を許諾なくAIに学習させ、本人そっくりの声を生成する問題が起きていますが、「学習されたか」を外部から確かめる技術はまだありません。

音声生成AI権利保護AI監査

お問い合わせ

047-469-5709

matsuno.yutaka(at)nihon-u.ac.jp

※ 迷惑メール対策のため (at) と表記しています。送信時は (at) を @ に置き換えてください。

日本大学理工学部応用情報工学科 松野研究室

〒274-8501 千葉県船橋市習志野台7-24-1 2号館4階 243号室

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